
『14歳』っていう曲を学生時代、しきりに聴いていた
ある著書を元にした楽曲で、うちに籠る自分の思いとか、人との差だとか、外にぶつけたくて燻っている時間とか
そういうものを歌い上げていた
聴いていた頃は、自分のための曲なんじゃないかなんて勘違いもしていたけれど
時が進めば、誰もが通る道だったなんて、悔しさも安心も抱えた気がする
初めは誰もが、周囲の目を見られていたんだと思う
いつからか、自分の目は人とは違っていることに気づいて
いつからか、必死に好きな色を合わせて
いつからか、自分を見失っていた
いつから、楽しいことを楽しめなくなったのだろう
子どもの頃、カメレオンが擬態する様子をテレビで見た事がある
あの頃の私の脳では、処理しきれないそれは、瞠若たらしめる芸当だった。
敵に見つからないように、周囲と同じ色に溶け込む能力
もはや私もいつの間にか身につけていた能力なことには、すっかり気付かず
両目を別々に動かして、周囲を必要以上に観察して
あたかも自分はそのコミュニティに参加しているかのように怯えて
自分だけが別の時間軸にいて、「自分の存在意義が」なんて問いただしている間に年齢は増えていく
いつまでも燻って成長しない自分を見ては、恥ずかしくてまた擬態する
鍵のかけた部屋にこもって、燃え尽きるも何もありゃしねぇ
明日を変えられる力が 僕らにはあるはずだった
テレビはいつものバラエティ 少し笑えた
それでも、時間が経てば、誰に許可を取られてもないのに色々と変わっていくもので
いつの間にか、目が合う人が度々いるということ
いつの間にか、好きな色同士合わせる事ができるということ
いつの間にか見失った自分を見つけてくれるということ
楽しかったことが楽しいものだということ
そうやって人は、自分の色を見つけていくんだと
布団にくるまった暗い部屋で、明日のご飯について笑い合う