
いつか終わる命
「人生一度きりだから、自分らしく君と生きたい」
と歌う歌は、この世に溢れかえり、もはや聞き飽きたテーマかもしれない
「無駄にしないように」「だからあなたを愛したい」なんて言葉もきっと耳から溢れるほど
それなのに、『賜物』という楽曲は、なぜこれ程までに、「そのテーマ」で心を動かされる美しい詩や音楽ができるのか
『連続テレビ小説』という’ある人’の半生を描く作品とのタイアップ
radwimpsとしては、初めてのことであり、どんな楽曲になるか期待されている中
期待以上の楽曲を私たちに届けてくれた
放映中のワンコーラスでは、いくつかの賛否は飛び交ったものの
やはり、フルコーラスを通し、洋次郎節を改めて身に染み渡らせ、文字を一つ一つ、言葉を一つ一つ取っていくと
全身から震え上がるほどに、美しく、素晴らしく、爽やかで透き通った純粋な「きみとの明日」を思う歌に思えてくる
超絶G難度に生きる私の人生が美しく見える鍵を握るきみと
どんな苦しみや悲しみが待っているかわからないけど、必ず迎えるそれらがあったとしても「きみ」とまっさらな朝を迎え続けたい
そうやって呆れるくらいに、笑われるくらいに
この命を人生を生きていこう
それが、僕の唯一の願いだから
摩訶不思議な魔法の鍵を「きみ」が握る美しき日々
涙に用なんてないっていうのに やたらと縁がある人生
かさばっていく過去と視界ゼロの未来 狭間で揺られ立ち眩んでいるけど
涙に用はないのに、やたらと縁がある人生
この一文で、あぁradの新曲だと思わせてくれる、らしさが詰まった始まり
生きれば生きるほど、積み重なり嵩張っていき過去と
先の見えない未来だけがある現在地でただただ、立ち眩む日々
正しさなんて見失うほどにあらゆる参考文献が溢れかえる中でも「生まれた意味」が書き記された紙を破り、超絶G難度の人生へ立ち向かうことに決めた僕
そんな人生はいつか終わる
今歩く一歩一歩は、いつかくるこの命の終わりにただ向かっているだけなのに
なぜこんなにも美しく、輝いて、煌めいて見えるのか
その魔法の鍵は、確かに「きみ」が握ってて
なぜなのか、なんでなのかは神のみぞ知る
だから、その神の判断に、采配に拍手喝采、万歳と讃えるほかない
正しさなんか超えて、「きみ」と一緒に走る日々は
当たり前のように生まれる毎日に、当たり前のように吹く風
その風に流されるまま、僕たちはどこへ行くのだろうか
その歩みは「正しい」のか「間違い」なのか
交錯するその意見は堂々巡りに、僕たちを惑わす
「正しい道」ってなんだ
一か八かの道じゃなくて、もっと確かなもので、正しい道に手を伸ばして生きていきたい。踏み外さないようになんて思っていたいけど
そんなこと言っている場合じゃない
今思うその行動を踏み出してみようじゃないか 背伸びではなく高くジャンプして手を伸ばしてみようじゃないか
悲しくて、悔しくて、苦しむ時間が続くだろう未来でも
「きみ」と生きる明日を選んでいきたい
「おはよう」と言えるまっさらな朝を迎え続けていきたい
感情も運命も恋愛も生命も交錯する線の上で弾け飛ぶ火花たちを背に
どんな運命も絶望をも寄せ付けずに、美しく舞う僕たちならば
「できないことなど何があるだろう?」
返事はないらしい なら何を躊躇う
正しさなんかに できはしないこと この心は知っているんだ
There's no time to surrender
できないことなどなくて
正しさなんか超えて
僕たちだけの道を切り開いていけばいい
そこには間違えなんかなく、希望を捨てている場合じゃない
賜ったモノに「きみ」との全てを詰め込もう
時が来ればお返しする命 この借り物を我が物顔で僕ら
愛でてみたり 諦めてみだりに思い出無造作に
詰め込んだり 逃げ込んだり
せっかくだから唯一で無二の詰め合わせにして返すとしよう
あわよくばもう「いらない、あげる」なんて呆れて笑われるくらいの
命を生きよう
君と生きよう
神様から賜ったこの一つだけの命・人生
一度きりの僕と「きみ」とだけの人生なのだから
当たり前のように、唯一無二の人生にしようって思う
誰もやったことのない
誰も見たことのない
誰も聞いたことのない思い出をたくさん詰め込んで詰め込んで、たまには逃げ込んで、大切に愛でていこう
そしたら、もしかしたら
呆れられて笑われる代物になって、僕たちだけのモノにしてくれるかもしれない
だから精一杯今を生きよう
そう、「きみ」と生きよう
聞く人へ「その人たる」ための言葉たち
命は賜ったものとして捉え、『いつかの終わり』を返す時と表現する詩
だから返す時までは、とにかく自分色に塗り替えて、きみの色にも塗って、きみの命を合わせてみたりして
最後の返す時まで、生きていこう
ラスサビは、テンポを変え、1・2番ともに歌い上げてきた「きみ」との生き方を
そう、まとめ歌いあげているこの楽曲には、改めてradwimps・洋次郎さまの美しさに惚れました
聞く人の分、たどる道があるように
この詩から頭に浮かぶ情景や情緒は、その数だけ存在し、鮮明に映し出される
ジェットコースターのように落差のあるテンポ感と
聞いてて気持ちの良い韻
あぁ、RADの曲だ
って思う要素がふんだんに詰め込まれた、魅力あるナンバー