
鼓膜に張り付いては離れない歌詞とメロディ
明るくも儚さが見える歌声
圧倒的な完成度のミュージックビデオ
三拍子揃い、互いを掛け合わせ魅力を引き立たせ
「今時」なんて言葉では片づけられない、三人の美しいクリエイターが作り上げた、美しい楽曲
筒抜けた先の美しさは、自分では見えないもので
「月ノ美兎」さんというVtuberの姿を持つ一人の人
いわば、一つ身に纏った姿で私たちの前で美しく舞い、歌い上げ楽しませてくれる姿とは別にある、素性
きっとどの人も、いくつもの顔を、知らず知らずのうちに抱えているように
何かに身に纏っては、それぞれの環境で踊る
でもそれは、見方を変えてしまえば、一枚の薄い布で身に纏う姿
視点を変えれば、筒状に中身がよく見える
身に纏うそんな自分を
いろんな顔を持つ姿に
嫌悪を向けてしまうことがあるかもしれない
けれど、それらを否定してしまえば、中身は空っぽになってしまうし
きっとどの姿だって脆くて、すぐにばらばらになってしまう
だからこそ、そんな自分を愛してあげないと
愛でながらも、秘密の姿で舞う自分の美しさに気付いていかなければ
「誰かのために」ばっかで 固めた外向きの顔
何かが足りなくなんだよ 何故だか下らなくなって
外ヅラのギャグがコケて 骨すら残らず焼えてしまったら
水を撤いてよ そこにどんな花が咲くのでしょう
誰かのための自分を続けていけば、いつしか自分を失うこと
ふとした瞬間はじまって、いつの間にか零れ落ちていくものにすら気付かぬまま、そのまま終わっていくこと
もしも、この姿が行き着いて、先が見えなくなっても
きっと無駄ではなかったことに気付くには、もう一度水を撒いては、芽吹くのを待つ
それら全部外ヅラのものなのだから、何度だってやり直せる
人ってただの筒じゃないですか
穿って見れば空っぽになりますか
輪っかの中で眺めていた金木屏
だって僕ら人じゃないですか
はしゃいでコケて がらんどうだって
涙目の顔で笑おう 次はまた何処へ行こう
疲れたらちょっとは休もう
座ってさ
座ったのなら
僕らはどこまで行っても人なんだから
はしゃいではこけて、涙目でも笑いあっていければ、それでいい
舞っているだけじゃなくても、少し休憩しながら
芽吹くのを待っていよう
『coalowl』さんのアニメーション
この楽曲を語るうえでは、切り離せないMV
coalowlさんによって手掛けられたアニメーションは、正直常軌を逸している
明るくポップな絵柄に、変態的なまでのアニメーション
キャッチー絵柄は見ている人皆を魅了させる、魔法に近いモノ
思い返してみれば、私の好きな楽曲共々、MVを担当していることが、調べていくうちに明らかになる
特に「people1」さんの楽曲では多く手掛けられ、もはや「いつも見ている人」という印象すらある
また、テレビアニメ「チェンソーマン」第四話のEDも手掛けていて、踊るパワーちゃんは、coalowlさんだったんだと、美しい絵柄に見とれていた当時を思い出す
今回の楽曲を通し、改めて『coalowl』さんの魅力を再確認することが出来たため、これからの活動を目を見開いて注目していきたい