一年で、たった一日だけある日は、どうしたって焦燥感に駆られるけれど
この道この方、一度もその希望に沿った日を過ごしたことがないことを思い出す
だからいつの日からか、特別な日を特別に過ごそうとするのはやめた
ただ、いつも通りに過ごすほうがずっと気が楽に、焦りもない代わりに、特別なことも何もない

振り返る時間は一瞬なほど、長い距離は歩いてすらないけれど
アイスを食べきるくらいの時間くらいには、少しだけ
振り返ったところで、取るに足らないことばかり
何かを成し遂げたこともなければ、作り上げたものもない
敷かれたレールを見ているだけで、逸脱しては、頼るときは頼っていたり
大人のふりしていた時間は、どれだけ積み重ねても所詮ふりでしかなく
理想の背中には到底届くことのない藻掻き
何かをしなきゃ
何かにしがみつかなきゃ
と
私にできることは、これしかない
文字をひたすらに書き記す
何が、何に、何を
何のために
なんて、何度も繰り返し問いかけても
すべて意味なんてないことに気付いては
いつでも戻るのは、私にはこれしかないからなんだと
何度もやり直そうとも、何度もあの頃に戻ろうとも
きっと私はこの道にたどり着くのかもしれないと
どれだけ遠くても、何度も叫んでは、命の火を燃やす
繰り返すエンドロールを私は、待ちに待つ
暗闇の中で腰を掛ける大熊猫
答えなんていらないのに、無限に問うてしまう人間の性に呆れながら
また一文字ずつ、したためる