地面の冷たさは、赤く滲む自分の身体と対比させた温度
傾く地面越しに、もしかしたらいるかもしれない彼を想像しては、夢の景色をただ仰ぐ
ガラスの上を歩く事なんて、容易いはずだったのに

夢のタッグで繰り広げるデュエット
『JANE DOE/米津玄師・宇多田ヒカル』
彼にしか作れないこの曲を彼女が歌う理由は、聴き重ねれば自ずとわかる
『劇場版チェンソーマンレゼ編』エンディング曲
として書き下ろされた
この楽曲の物語で大切な『1人の少女』の存在
『JANE DOE』・・・身元不明の女性
彼女の心情を言葉に乗せ、感情を乗せて歌う
思わず夜空を仰ぎたくなるような
儚く、美しい
そんな一曲
少し夢の話を振り返る少女
まるでこの世界で二人だけみたいだね
なんて少しだけ夢をみてしまっただけ
つま先に月明かり花束の香り 指に触れる指さよなら もう行かなきゃ何もかも忘れて
この世界をふたり占めに出来ていたあの時間
任務のため
その名目で動いていたはずだけれど、きっと夢のような時間を楽しめていたのかもしれない
振り返れば美しく輝く想い出
少しだけ夢を見てみる
隣を歩いて君と私のつま先を照らす月明かり
君から貰った大きな花束の香りが夜風に吹かれる
君の指が触れる程近くにいる
でも、そんな長くは夢を見ていられない
硝子の上を裸足のまま歩く痛むごとに血が流れて落ちていく
お願い その赤い足跡を辿って 会いにきて
ガラスの上を歩く事なんて、容易いことのはずだったのに
ただ、静かに暗転する視界の中心に浮かぶお願い
会いに来て
花束を抱えて振り返る少年
錆びたプールに放たれていく金魚 靴箱の中隠した林檎
萎びた君の肌に残る傷跡 犬のように泳いだ迷子
あんなに楽しかった時間
きっと彼女も楽しかったはずだ
月明かりが照らしていたプールに飛び込んだことも
人生で初めて見たお祭りの景色も、特別だったはず
もう一度、会ってそんな時間を過ごしたい
どこにいるの(ここにいるよ)何をしているの (ずっと見てるよ)
この世を間違いで満たそう
側にいてよ
遊びに行こうよ
どこにいるの
どこにいるの?何をしているの?
君だけが大正解な世界を作って仕舞えばいい
間違いで満たしたって、一緒に居続けたい
そばにいてよ、遊びにいこうよ
どこにいるの
重なる想い
米津さんは宇多田さんへ曲のイメージを伝える際
『あらゆる複雑なものを抱えた女の子』
と
『それを本質的に何もわかってない男の子』
そんな二人によるデュエットだと表現した
きっと幾度と言葉を重ねても、一ミリも彼には伝わらない
彼は、わからないこともわからず、気づくこともない
彼女は、それが心地良かったのかもしれない
交わるはずのない二人が、雨の日に出会ったあの瞬間に形がずれていく
爆ぜる自分の身は痛みすら伴うはずなのに、そんな痛みすらいつの間にか感じることはない
けれど、今
手を伸ばせば届きそうな彼に会えないことが、とても苦しくて
心の中で呟いた、彼への言葉もきっと伝わらないままに
政府のため、国のため、任務のため
生きる術が自分以外だった彼女
『JANE DOE』
だからこそ、初めて自分自身の感情に戸惑い、ミスを犯した彼女が願った景色
まるでこの世界で二人だけみたいだね
なんて少しだけ夢をみてしまっただけ
米津玄師アナログレコード盤『IRIS OUT/JANE DOE』
まさかの米津さん二作品目となるアナログレコードが発売決定
『M八七』以来
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ここ数ヶ月、怒涛の米津供給でしたね
映画が二作品続いたことから、イベントやらグッズやら諸々、恵みが降り注ぎました
多分今年はこれで落ち着いたかと思われますが、唐突に顔をだす生存確認にフットワークを軽くさせながら待ちましょう
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