
9月1日公開された映画 Bullet Train〈ブレットトレイン〉を公開初日に見てきました。
この映画は、伊坂幸太郎 小説 「マリアビートル」を原作とした作品で、あまり映画化をされない伊坂幸太郎さんの初のハリウッドとして、とても注目が集まりました。
あらすじ
ブリーフケース奪取の指令を受けた ”世界一不幸な殺し屋” の主人公「レディバグ」が東京から京都へ向かう高速列車に乗り込むも、列車の中で次々と刺客に襲われるもミッション遂行を目指す物語。
ざっくりいうとこんな感じです。ジャンルで言うといわゆる アクション映画 なのですがそれぞれのキャラクターに個性があり、刺客たちのバックグラウンドにも魅力があるため、ただのアクションとは違った面白さがあります。
出演キャスト
ブラッド・ピット・・・レディバグ

アーロン・テイラー=ジョンソン・・・タンジェリン(みかん)

ブライアン・タイリー・ヘンリー・・・レモン
アンドリュー・小路・・・木村

ジョーイ・キング・・・プリンス

真田広之・・・エルダー

※ここからネタバレ情報注意
原作との差異・なぜ日本が舞台の原作をハリウッド作品へ
原作「マリアビートル」に出てくるキャラクターは 日本人 であり、舞台も日本です。本来であれば、日本内で映画化をし、日本人のキャストを揃えることが普通と考えられる。ではなぜ、ハリウッドでの映画化にしたのか。
それは原作者伊坂幸太郎の希望から 原作との差別化 の意図からくるものだった。
Bullet Train〈ブレットトレイン〉パンフレットのインタビューを拝見すると、その意図が書かれている。映画を見て原作を読まれないことへの悲しさから、今までもあまり映画化を望まなかった伊坂幸太郎。しかし、「原作をもとにした映画でも少し変化させた 設定 と 話の流れ に持っていけば、それはまた新しい物語として生まれるのではないか」と考えていた最中に、ちょうどハリウッドからの話が舞い込んだタイミングだったため、ハリウッドであればはちゃめちゃにやってくれるのでは、と言う目論みで今回映画化に進んだという経緯があります。
実際、映画を見るにいろいろと違いがあります。
レディバグのイメージは、気弱そうな男性ですし、プリンスは中学生の男の子ですし。ウルフとレディバグは元々因縁がある設定があったりと色々映像と違います。そのため、もう映画を見たあなたも見ていないあなたも、原作を読みぜひ映画と違った世界に触れて見て欲しいです。
不幸の連続にいる主人公が背負うもの・その彼を支える存在
木村の父・エルダーと主人公レディバグとの会話のシーン。レディバグが不幸続きに悩まされる中、エルダーのかける言葉。彼自身が不幸を背負い続けることで、世界の不幸を集めている。てんとう虫(レディバグ)が背負う7つの星。それは、彼に合った本当の姿なんではないだろうか。
主人公は、不幸に見舞われる自分の不運をきっと恨んでいたのではないだろうか。絶対に人を殺したくない「殺し屋」。人を絶対に傷つけないようにミッションをこなそうとしても、自分の周りでは、必ず大きな事故が起きてしまい、自分に嫌気がさすレディバグ。そんな彼にとって、エルダーの欠けた言葉は、考え方を変える転機になっただろう。
また、彼を陰で支えていた「マリア」の存在。彼の元へ駆けつけるラストシーンに彼は気付き、彼にとっての支えは、きっと物語の中だけでなく「マリア」の存在無くしては成り立たないのだろう。
最後に
アクションもギャグもてんこ盛りの映画。原作とはほど遠いものとなりつつも、やはり要所要所に見える伊坂幸太郎の世界観。だからか、話の大筋に感動を覚える作品でした。
映画を見てもなお、原作を読まずにはいられない作品
これがブラットトレインとマリアビートルとの関係性です。ぜひ、皆さんも映画館へ足を運んでみてください!